聞いてくれて、ありがとう

田中角栄元首相のインタビューが)
2時間の予定が3時間になった。
小学校しか出ていないこと、
一人で東京へ行く汽車の中でのこと、
娘の真紀子さんのこと。
角栄さんは野外で本当にお泣きになり、
顔が鼻水と涙でぐちょぐちょになった。
おしぼりのお代わりが確か3回。
「真摯な気持ちで聞いてくれて、ありがとうございました」
と最後に頭を下げられ、びっくりした。
金脈という言葉が有名だった。
けれどお金だけで皆さんがこの方についていくのではないと、
私なりにわかったような気がしたものだった。
(森光子)