社会にやらせてもらう

お互いの仕事なり職業というのは、それぞれに自分の意志で選び、
自分の力でやっているようではあるが、
本来は社会がそれを必要としているからこそ成り立つものである。
つまり、自分がやっているのではなく、
社会にやらせてもらっているのだということが言えると思う。
床屋の仕事でも、髪をキチンとしたいという人びとの要望があって、
はじめてそれが必要とされるのである。
このことは、どんな仕事についても同じである。
そういうことを考えてみると、
そういう仕事を世間からやらせてもらえるのは、
ほんとうにありがたいことだという,
感謝の念も生じてくると思うのである。
(松下幸之助)